「応援したい会社」プロジェクト

社会に必要とされる「応援したい会社」と「働くことで成長したい若者」をつなぐ。

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「応援したい会社」訪問記Vol.5 【株式会社マイファーム】(その2)~変わる農家の意識、農業の新たな価値を掘り起こして若い世代につなぐ~

マイファームさん探訪

↓前回のブログはこちら↓
http://ouenshitaikaisha.blog.fc2.com/blog-entry-19.html

新幹線の窓から沿線の景色を眺めていると、市街地、郊外、田畑、山がすごい勢いで交互に現われます。昔ながらの田園風景に秋の訪れを感じながら、初の遠出で京都へ行ってきました。訪問先は、少し上空から地図を見れば京都駅のまん前にあるマイファームさん。好立地すぎて地図を見始める頃にはすでに通り過ぎている、という落とし穴に落ちかかったところを地元に住む松原くんが引き戻してくれました。

土に親しみ自然とふれあう農業への参加人口を増やして、日本の耕作放棄地を減らす
会社の年齢は、5歳。
農業従事者の高齢化が進み、年々担い手が減っていくことで、農地にとどまらず、農業とともにあった自然のはたらきや伝統文化や土地の知恵が一緒に姿を消していきます。衰退していく第一次産業の現実をあきらめに終わらせず、耕作放棄地を再生し、「体験農園」を入口にして農業に親しむ人たちを増やしていくビジネスで「農業人口の新たな裾野」を生み出しているのが、農業ベンチャーのマイファームさんです。

温和な気候で南北に長い日本列島は変化に富んだ自然と緑の宝庫。魏志倭人伝の中には“一年を通じて日本の人々は生の野菜を手に入れて食べている”という記録があるとか。
新世代の農業といえば、ICT化による第六次産業への発展イメージを思い浮かべますが、マイファーム創業者の西辻一真さんは日本の自然、風土に根ざした「農業が息づく土地」と「農業に関わる人の営み」の再生にこだわります。そこがソーシャルベンチャーたる所以でしょう。ビジネスの向こうに見ているのは、多様な接点で「人と農業」の距離が縮まっていくことなのです。

myfarm nouchisaisei

裏の畑で遊んでいた子供の心がそのまま大人になった
マイファーム社の生い立ちは、そのまま西辻さんの生い立ちにつながります。福井県で生まれ育った幼少期から、遊びといえば家の裏手にあった畑での土いじり。背丈の半分もあるような大根が育つわくわく感、野菜を収穫する楽しさに魅入られた子供だったといいます。
そんな子供が小学校に通うようになると、近所の放置された農地が気になり始めます。さらに高校時代になると、通学電車で福井平野を横切るたびに、減反政策で休耕田になり荒れ放題になっている農地に目が向くようになります。自分の楽しい野菜づくりの記憶から、「なんでこの人たちは畑をやらないんだろう」と疑問に思ったことが農業ベンチャーの原点でした。

いろいろ調べてみると、自家消費と違って生産農家がたいへんなのは安定した量を収穫して出荷しなければならないから。自然が相手で天候・気候の影響を受け、生活がかかっていて作業はきつい農業。以来、西辻さんは出荷しやすい作物づくりをめざして大学もまっすぐ農学部に進み、遺伝子組み換え、品種改良などの研究に取り組みます。けれど、収量を焦点にした一人当たりの生産性を上げるための研究には納まりきれず、森林や生態系、緑化、土壌改良…と学びの対象を自然のシステムや科学に広げ、マクロなレベルで農業を考えるようになりました。
この頃に培った幅広い知識や経験が長年放置された農地の土壌改良や再生に役立っています。

当時、西辻さんが見聞きした日本の農業に対する一般的な認識は、「もともと農業なんてみんなやりがたがらない」「人が豊かになるとは農業から離れること」と、土の匂いのする自身の原風景には程遠いものでした。「そうやって農業人口が減っていく過程を結論づけている」ことに違和感をおぼえた西辻さんは、農業人口を増やせばいいと考えます。農業をしたい人に耕作放棄地を貸す、というアイデアはすでに具体化を模索するまでに熟していました。

食の安全をおびやかす事件の多発を契機に、会社を設立
卒業後、農業とは無縁のリクルートの子会社に就職し、マーケティング、広告、制作などの基礎を学んだという西辻さんは、入社1年後の2007年に突然会社を辞めて、〈自産自消ができる社会作り〉〈耕作放棄地問題の解消〉という理念を掲げ、マイファームを設立します。このとき24歳。

2000年代の初めには、BSE問題に端を発した牛肉偽装事件をはじめ大手企業による食品偽装表示や消費期限の改ざんなど、身近な食品にまつわる衝撃的な事件が相次ぎました。食の安全に対する消費者の防衛意識が急速に高まっているこのタイミングなら、「食の安全・安心」を真ん中に置いて、今まで遠かった生産者と消費者、人と農業の距離を縮めることができるのではないか、風を読んでのスタートでした。

食の安全をおびやかす事件の多発を契機に、会社を設立
卒業後、農業とは無縁のリクルートの子会社に就職し、マーケティング、広告、制作などの基礎を学んだという西辻さんは、入社1年後の2007年に突然会社を辞めて、〈自産自消ができる社会作り〉〈耕作放棄地問題の解消〉という理念を掲げ、マイファームを設立します。このとき24歳。

2000年代の初めには、BSE問題に端を発した牛肉偽装事件をはじめ大手企業による食品偽装表示や消費期限の改ざんなど、身近な食品にまつわる衝撃的な事件が相次ぎました。食の安全に対する消費者の防衛意識が急速に高まっているこのタイミングなら、「食の安全・安心」を真ん中に置いて、今まで遠かった生産者と消費者、人と農業の距離を縮めることができるのではないか、風を読んでのスタートでした。

全国の耕作放棄地は、じつに約40万ヘクタール(東京都のほぼ2倍)。下図は、この死蔵状態の農地を生きた農地に転換し、新たな利用者を増やして「耕作放棄地ゼロ」をめざすための道筋を描いたマイファーム社の事業の全体像です。同時にこれは、日本の農業への思いひとすじに突き進んできた西辻さん渾身の耕作放棄地再生のスキームでもあります。

myfarm vision

この3つのステージを段階を経て、各々のステージが成功することにより、日本の新たな農業の基礎を形作り、消費者の「農」に対する意識の向上が図れると信じ、事業を展開しています。
(株式会社マイファーム ホームページより)

最短1週間で健やかな農園をオープンできるノウハウを確立
最も人口の多い菜園初心者を対象とした「体験農園マイファーム」は、自分の手で畑を耕して作物の種を植え、手をかけて育てたものを収穫して食べるという「自産自消」プロセスを体験し、農業の喜びを知ってもらうための入口です。

マイファーム農園の特徴は、

安心・安全な無農薬自然農法が基本。自然の摂理に応じた肥料の使い方で土づくりを大切にする。
利用者に代わって水やりなどの手入れを代行するサービスはせず、作物の生育状態などを報告して畑の状況を共有し、農園作業が生活の一部になるような働きかけをする。
作付・育成の指導、収穫後の保存や食べ方などのアドバイスをする。
本格的な知識・技術を身につける場(スクール、研修、セミナー)がある。
収穫した野菜を料理・販売・提供できる場、イベントがある。
趣味が高じて本格的に農業をやりたくなったら就農予備校としてのファームアカデミーがある。

単なるレンタル農園ではなく、その先で、より多くの人が農業に関心を持ち、親しみ、農家とともに発展していくプラットフォームになっていることが最大の特徴でしょう。

農園の開設は、まず耕作放棄地・休耕地を募集するところから。オーナーである農家に対して農地に関わる法律や利用法などの相談に乗り、土壌改良から区画整備や各種施設の設置、利用者に対するサービス、収支計画などを示して有効利用を勧めます。農園の管理や利用者への農業指導などの運営はマイファーム社がサポート。今では、よほどの悪条件の土地以外、最短1週間で農園をオープンできるまでのノウハウが確立されているそうです。

体験農園は、会社設立の2年後には20を越え、農業ベンチャーの若きリーダーに注目してメディアも取り上げ始めました。若い世代を中心にしたスローライフやロハスのムーブメントもあって、4年後の2011年には68農園に。会社も100人規模へと急成長しました。

露呈してきた「めざすもの」の違い
私たちが訪ねた10月の時点で、すでに西辻さんは社長の座を退いていました。

1年前、被災地で農業本来の営みを取り戻すお手伝いがしたいと、塩害で壊滅状態になっている宮城県の農村地帯に入った西辻さんは、約1年半にわたって、農地を再生し、新しい作物を生産して出荷するまでのプランを練り上げ、その推進に精力を注ぎました。津波にさらされて塩分をたっぷり含み、草も生えない瓦礫の埋まった農地を前にして途方にくれる農家の人たちを力づけながら、資金も含めて、持てる力を結集しての支援です。

myfarm nouchifukko

といっても、個人の思いで突き進んだその過程では、被災地支援に打ち込むあまりに本業の経営がおろそかになるという問題が生じ、気がつくと、社員の気持ちが離れてしまって、はからずも社長を退くことになりました。これはあとになって知ったことですが。
ただし、それは原因ではなく、きっかけだったのではないかとも思えます。

西辻さんは自分を省みながら、この間、会社に起こったことを隠さず話してくださいました。
ひとつは、めざすものの微妙かつ決定的な違いが露呈してきたことです。

マイファーム社の原点には「自産自消の推進」と「耕作放棄の削減」という理念がありますが、メンバーの間には、日本の農業に本来の営みを取り戻したいという思いと、自産自消の就農者を増やしたいという思いが混在していて、会社を二分するほどに決定的な事業をめぐる目的の違いが生じてきたのだといいます。どちらも必要だし、いずれも正しい。けれどソーシャルビジネスだからこそ、うやむやには呑み込めない存在意義に関わる問題です。

「お金と組織が崩れるよりも、理念の崩れのほうがはるかに深刻ですね」と西辻さんは言います。そのために失ったものは大きく、つらい思いもしたけれど、あらためて変わらない思いに忠実な理念の再構築に着手しています。「まだ市場のない世界。敵も味方もない。多様性はあってもいいけど、今はその時期じゃない」と、双方が歩み寄ることに希望を捨ててはいません。

急成長のひずみを生んだ管理型の組織
もうひとつは、事業の急拡大に対応して姿を変えてきた組織の問題です。
「これなんです」と自嘲ぎみに差し出された組織図は、コンビニなどのチェーンストアに見られるチェーンオペレーション型の組織。社会的な使命感を持ち、事業の意味や価値を大事にするマイファームさんを思うと、著しいギャップを感じるものでした。

本部、支部、エリア、各農園とカスケード型になっていて階層が深く、社長と農園担当者との距離はかなり遠くなっています。ポジションごとの仕事も標準化され、管理も評価もある面でシステマティックになり、組織は温かさを失うことになりました。階層が増えるとマネジャーも不足して、管理経験のある人を急いで採用したといいます。

忙しさで現場に顔を出す余裕もなくなり、スタッフに任せきりになって「農園の管理人さんから、西辻さんに愛がなくなったと言われました」とぽつり。今後は今の組織とマネジメントを見直し、フェーストゥフェースの関わりを大事にして「土づくりと同じように、社員、スタッフの働く環境、考える土台をつくって、成長のために思考が前向きになるようなサポートをし、未来を一緒につくっていく後押しをしていこうと思います」

若い会社が急成長するときは、人の育成や組織体制、マネジメント、いろんなことが成長スピードになかなか追いついていきません。成長という名目のもとに状況対応で講じる手段が目的を覆って、不納得感や不信感が知らず知らずのうちにはびこっていくことになります。渦中にいる現場の人たちが立ち位置を見失いがちになるのもこういうとき。何かのきっかけで不満が表出してもおかしくありません。もとより新しいことに挑戦する若い会社ですから、問題が次々に起こり揺れ動くのは当然です。

変わる農家の意識、農業の新たな価値を掘り起こして若い世代につなぐ
厳しい状況に直面したけれど、西辻さんのめざすものは次第にクリアになっているようです。
当初は体験農園を冷ややかに見ていた農家の人たちも、若い西辻さんの語る農業の明日の姿に耳を貸すようになってきました。

「農業は社会的な価値のある仕事、社会の共有財産をいっぱい持っています」
日本の自然、風土に根ざした農業と人の営みにこだわる西辻さんは、単に作物をつくって供給するだけではない、農業をとりまく環境の中に含まれている価値を現代の新しい目で見ています。

ベテラン農家の人は就農希望者に自分の作物をつくる技術や知識を講義、指導する。農園のマネジャーをやる。農地を貸す、農機具・用具を貸す。グリーン・ツーリズムのような農業体験や、田畑や庭先、里山などのゆかしい郷土の風景を楽しんでもらう。田舎暮らしを体験してもらう。郷土料理を教える。農地の土が粘土質なら陶芸の原料にもなる。震災後には農地が防災避難地域になった…。

マイファームさんの人と農業をつなぐプラットフォームを活用すれば、農業の価値を多面的に引き出せると西辻さんは考えています。生産をしながら、教えながら、地域と自然を背景に人々と交流する複合的な農業、そんな夢を農家さんに語ります。「最近、農家さんが〈農業の再定義〉という言葉を使うようになっているんです」と西辻さんはうれしそう。
震災後に立ち上がったソーシャルビジネスの存在もあって、地域に根ざしたリアルな営みに目を向ける人たちも増えてきました。食の安全への関心も高まって農学部を新設する大学も出てきています。ICT化の波が押し寄せる一方で、土と人のぬくもりを大事にする西辻さんの「新しい農業」も共感の中で根を伸ばして育っていくのではないでしょうか。
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テーマ:■就職活動 - ジャンル:就職・お仕事

  1. 2012/11/12(月) 07:30:00|
  2. 「応援したい会社」訪問記
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  1. 2013/03/05(火) 14:56:19 |
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